サービスリリース(SR)とは、Rhinoのそれぞれのバージョンに対しておよそ月に一度、開発元から提供される無償のアップデートとなります。Rhino6から7、7から8と言った有償のメジャーバージョンアップとは異なり、バグフィックスを目的とした無償のものとなります。
サービスリリースをアップデートすることによりRhinoの安定性が向上します。また、一部のサービスリリースでは、新機能や既存機能の改善が追加されることもありますので、ぜひ最新のサービスリリースに更新してお使いいただくのをお勧めいたします。
現在のサービスリリースの確認方法
サービスリリースは起動時の画面や、Rhino6以降であればRhino内で[SystemInfo]コマンドを実行することなどで確認できます(上図はRhino8のSR12)。
また、新しいメジャーバージョンが出た際は、旧バージョンのサービスリリースの更新も停止されますので、旧バージョンを使う際は最終のサービスリリースをお使いになるのをお勧めいたします。
現在(2024年9月時点)で、それぞれの最終のサービスリリースは、Rhino4はSR9。Windows版のRhino5はSR14。Mac版のRhino5のみ数え方が異なり、5.5.5が最終。Rhino6以降はユニバーサルライセンスなのでWindowsとMac共通で、Rhino6 SR35。Rhino7 SR37となります。
サービスリリースのアップデート適用方法
サービスリリースの適用方法は、Windows版とMac版で異なります。
Windows版では、Rhinoを起動中にサービスリリースが自動的にインストーラーがダウンロードされ、Rhinoを終了時に[更新があります]というダイアログが表示され、[はい]ボタンからサービスリリースの更新が行えます。
Mac版では、Rhinoを起動した際にアップデートできるサービスリリースがある場合、[ソフトウェア・アップデート]ダイアログが表示されます。ダイアログ内の[アップデートをインストール]ボタンからアップデートを実行することができます。
またRhinoの起動・終了時ではなく、手動でインストーラーをダウンロードして適用することもできます。
Windows版の場合、ツール>オプション を押した際に表示される[Rhinoオプション]ダイアログ内の[更新と統計]をクリックし、[今すぐ確認する]の箇所を押すことで、インターネットからサービスリリースのインストーラーをダウンロードできます。
Mac版の場合、上部メニュー Rhino (バージョン名) > 設定 [全般]を押した際に出る[今すぐ確認]ボタンを押すことで、インストーラーをダウンロードできます。
また、手動でインストーラーを実行する際は、プログラムが自動で上書きされるので従来のバージョンをアンインストールする必要はありません。
いずれの場合も、サービスリリースのアップデート後はツールバーやショートカットなどのユーザ設定はそのまま引き継がれます。またサービスリリースは基本的に上位互換のため、新しいサービスリリースをインストールしても従来の機能はそのままお使いになれます。
またインターネットに繋ぐことができないPCでも、インターネットにつなげることができるPCでインストーラーをダウンロードしていただき、インストーラーをコピー後に実行することも可能です。
サービスリリースとサービスリリース候補(Service Release Candidate)の違い
サービスリリースは先にもお伝えした通り、およそ月に一度の頻度でリリースされます。ただし緊急性が高いバグの対応やいち早く修正したプログラムを実行したい場合は、およそ週に一度リリースされる[サービスリリース候補](Service Release Candidate)に切り替えることもできます。
Windows版、Mac版ともに手動でインストーラーをダウンロードする[今すぐ確認]の横に、サービスリリースとサービスリリース候補を切り替える箇所があり、こちらから設定を変更できます。
ただし月に一度リリースされるサービスリリースは週に一度リリースされるサービスリリース候補のうち問題が無い更新内容をまとめた安定版のような位置づけとなります。ですので、通常お使いいただく際はサービスリリースを使用し、緊急のバグに対応した修正を行いたいときは候補にするといった使い方が宜しいかと思われます。
また英語となりますがサービスリリース・候補のアップデート内容は下記リンクから確認できます。
Rhino8のサービスリリースの変更内容
Rhino8のサービスリリース候補の変更内容
古いサービスリリースについて
こちらもソフトの安定性と言った点からすると、基本的には最新・最終のサービスリリースをお使いになるのをお勧めいたします。ただしサービスリリースをアップデートしたことが原因で、一部のコマンドが正常に動作しなくなるということも可能性としてはございます。
また開発元から提供されているサービスリリースは常に最新のものとなります。その場合は、弊社のフォームからお問い合わせに、問題が起こる現象、いくつのSRでは動いていた(もしくは何か月前にアップデートしたときは動いていた)、などの状況をお送りいただければ古いサービスリリースのインストーラーをお送りすることも可能です。
ただしSR6からSR8というようにサービスリリースを上げる場合はプログラムの上書きができますが、SR8からSR6というようにサービスリリースを下げる場合はプログラムの上書きできません。その場合は、該当のプログラムを一度アンインストール後に、インストーラーを実行する必要がございます。
サービスリリースの自動アップデートを停止したい場合
ソフトの安定性や新機能の追加と言った点からすると、基本的には最新・最終のサービスリリースをお使いになるのをお勧めいたします。ただし特定の理由でRhinoのサービスリリースをアップデートしたくない場合は、Windowsの場合は設定から自動更新を無効にすることができます。
ツール>オプション を押した際に表示される[Rhinoオプション]ダイアログ内の[更新と統計]をクリックし、[更新と使用統計]のチェックを外すことで自動アップデートを停止にできます([今すぐ確認する]もグレーアウトして、押すことができません)。
また上記の[更新と使用統計をオン]にチェックをつけても、自動更新がされない場合、
- プロキシなどで特定のURL以外、アクセスが禁じられている
- Windowsのサービスで、McNeel社のサービスが開始されていない
- レジストリにアップデートしないよう値が書き込まれている
といったことも考えられます。
その場合は、サポートフォームより弊社サポートまでご連絡いただけますと幸いです。